ギタリスト 鈴木大介のブログ

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<<   作成日時 : 2019/01/18 01:18   >>

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今日は夕方からとあるミーティング。

クラシック・ギターの歴史は、
一説によると織田信長のところへもたらされた
最初のヨーロッパ音楽を奏でたと言われる
スペインのビウェラ時代の音楽や、
ベルサイユ宮殿で太陽王ルイ14世が夜な夜な聴いていたと言われる
バロック・ギターの音楽まで遡ると
かなりなバラエティーと奥行きがありますが、
その後ロマン派を経て現代のギターのような楽器になるまで、
様々な変遷のうちに、
大まかな流れとしては形状は大きくなり、
音量はより大きいものを求められるようになってきました。

では現代においては
オーセンティックな楽器を研究したことによる
音色の追求や、
さらに理想化された振動を求めたダブル・トップの楽器など、
ギターの進化する可能性は出尽くしているのでしょうか。

そして今後、
材料の枯渇や変化に伴って
新しい構造のギターが出現するとしても、
やはり良いギターの音色への趣向は変わらず、
20世紀前半から中盤にかけて様式が完成された時代の
ヴィンテージ・クラシック・ギターは
あらゆるものの上位に君臨し、
ますますその価値を上げていくばかりなのでしょうか。


僕は、
心の片隅ではそういう古き良き名器信奉に無条件に賛同しつつ、
(フレタやラミレスを弾くのが好きですし、
無限に予算があれば他のものも嫌いじゃないです。)
例えば、
ピアノほどじゃないにせよ
他の楽器に決して負けないクリアーな発音と音量を持った
楽器が開発されるのではないか、
とか、
リュートやハープほどではないにせよ
そして現れては消える多弦ギターほどではないにせよ、
もう少し音域の拡大されたギターが必要とはなって来ないのでしょうか?
(現にブラジル音楽では、7弦ギターが日常化しつつありますね)


そんな風に、
まだ世の中には現れていない可能性がないものだろうかという
妄想に、若い頃から浸ってしまう癖があります。


僕が20代の頃に、
19世紀のギターの研究が盛んになり、
またその当時の様式で作成されたギターもたくさん出てきて、
ギターという楽器が、
20世紀の前半に特性として決定づけられたような
倍音構造のものでは、本来なかったということがわかってきて、
そこから現代のギターは、
フラットで均質な倍音構成や、
丸く柔らかい音質の研究へと向かいました。
ギターのコンサートが
セゴビアやブリームの時代のように
2000人クラスの大きなホールで行われなくなってきた、
あるいはそのような場合はPAを使うのが当たり前となってきた、
ということも関係しているでしょう。

僕の使用楽器でいうなら、
同じ今井さんの楽器でも、
ハカランダを横材に使っているものは
より硬質できらびやかな倍音を多く持ち、
伝統的な20世紀のクラシック・ギターの音色を
ベースにしていながらも、
少し均質な倍音の処理を施されています。
が、一方、
メープルやシープレスを横材に使ったものは、
より19世紀のギターに近く
柔らかでおとなしめの、
しかし音量と太い音質の楽器となっています。

どう使い分けるかというと、
現代作品の厳しい表現をするものや
ギターらしい男性的な低音が欲しいもの、
ラテン的な音色が欲しいときは
ハカランダ材のもの、
古典やバロック、ピアノの作品の編曲を弾くときは
それ以外、
というのが基本です。
もちろん絶対にそうというわけではありません。


でも、これも、
最近はハカランダ材のものでバロックを弾いた時の
風格や重みのある表現が好きになってきましたし、
メープル材のもので乾いた音色を出して
ラテンの曲を弾くのが楽しい時もあります。

あと極端な例でいうと、
タンゴなんかは表面版が松じゃなくて杉のギターで弾くのが好きだし、
コンチェルトなんかもそのほうが音色が目立って
(だってオケ中の他の弦楽器はみんな松の高級ヴィンテージ楽器だ)
楽なことがあるし、
そういう意味でYAMAHAの杉材のギターは今とても重宝しています。


何れにせよ、
材料による倍音の構成や音色の違いは
僕にとってたいへん大きな興味をそそられる問題です。

そしてその件については、
まだ別の可能性が潜んでいると思っています。

それはただなんとなくそう思うのもあるし、
リュートや、ジャズのアーチトップのギターの音色を聴いていたりして
そう思ったりすることもあります。


今日はそんな可能性へ向けての打ち合わせでした。

伝統の中で自分の表現を突き詰めるのも楽しいけれど、
ヨーロッパの土壌から遠く離れたアジアの東端で
ギターでヨーロッパの音楽を弾いているのだから、
もっとあっと驚かれるような冒険とか提案もしてみたい、のです。







































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