「ウェストサイド・ストーリー」「君に読む物語」~「キネマ楽園/love stories ①」

子供のころ、
確か、小学校の2年生とか3年生とか、
そのくらいのころです。

テレビで大々的に
「ウェストサイド・ストーリー、初のノーカット版放送」
というのをやっていて、
なんだかわからないけど凄そうなので
眠い目をこすって観たのが
この作品との出会い。

悲しい結末が寂しかったけれど
アメリカの貧民街の若者の
ぎらぎらとした生活が、
ダンスや歌や、照明や、
ありとあらゆるもののなかで幻想的に表現されていて、
子供心にかなりな衝撃を受けました。

劇中に流れる音楽に、
折に触れ再会し、
バーンスタインの音楽のすばらしさに
いつも魅了されました。

あ、だけどこんな話もあります。

昔、ザルツブルグに住んでいたころ、
近所に住んでいた老夫妻に連れられて、
ロマンティック街道近くの、
それこそノイ・シュヴァンシュタイン城に自転車でいける場所にある
別荘へと連れて行ってもらったとき、
朝食の食卓に「ウェストサイド~」の音楽が流れていて、
おじいさんのほうのヘルムートが、
「現代音楽はつらいねえ」と頭を抱え込んでいた。。
やがてCDチェンジャーが作動して
ロック風のドラムとベース入りのモーツァルトになったとき
「Gott sei dank!!」(おお神様ありがとう)
みたいに叫んでました。
ちょっと意外かもしれないけど、
オーストリアの田舎に住んでいたことのある者にとっては、
いかにも、なエピソードなんですよね。これが。

ヘルムートとマリア、元気かな・・・・

年を重ねて、穏やかにつつましく、
とても楽しそうに暮らしている夫妻でした。
毎日毎日、たくさん会話をして、好きなことを言い合って、
となりにお互いを感じていないと寂しくてだめになってしまうような。。

ま、
だからこそ「ウェストサイド~」みたいなのに
「難解だ~」とこぼしてるんだったりして。
あるいはマリアが、
「あたしにだって燃えるような恋の一つや二つ、
あったのよ」
という思いをこめてCDデッキにバーンスタインを
忍び込ませたのかも。


老夫妻、といえば
「君に読む物語」も
分かち合いがたく結ばれた二人の「老い」を
描いた話ですよね。

もし、僕が将来、
あのおじいさんみたいな立場になったら、
奥さんのことをあれほど献身的に支えられるのでしょうか。
二人が過ごした時間を、毎日5分間だけ
思い出してもらうために、
自分の残りの人生を捧げられるのかな・・・

もしかしたら、
誰にも得られないような富や栄誉を勝ち得るのと同じか、
あるいはそれ以上に、
自分の分身のように愛せる人と出会えることは
人生にとっての勝利なのかもしれません。
仮にそれが、献身的な介護、というかたちで、
お互いの別れに、ほんの少しの陰りをもたらしたとしても、
その人に出会えたたった一度の人生を、
自分にとってのもっとも大きな果実のように思える人には、
まっとうすべき試練なのかもしれません。


レコーディングに使った編曲は、
「ウエストサイド~」がホルヘ・モレル編。
昔、尾尻先生が弾いていて知りました。
ちょっとバリオスとかレイスとか
南米の伝統的なクラシック・ギターのスタイルに
忠実な、
僕はとてもオーセンティックな編曲だと思います。

「君に読む物語」のなかで奥さんが弾く
ショパンのプレリュード。
タレガ編もあるのですが、
今回はギターによるショパン演奏で一躍有名になった
ヨゼフ・エトヴェシュの、比較的アカデミックな編曲と
僕の、原曲の調性と同じな
少し自由な編曲をメドレーにしました。
つまり、原曲を移調して2回繰り返してます。
事務所の、お母さんがピアノの先生だという女の子に
楽譜を用意してもらいました。


これからこんな感じで、
少しずつ楽曲解説します。






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