武満さんのスクリーン

武満さんがご存命のとき、
僕のテープを聴いて、
全集をつくるようにおっしゃってくださいました。
実際、作業続行中に彼はなくなってしまいましたが、
CDは完成し、多くの方々に聴いていただくことができました。

あれからもうすぐ10年ですが、
その間に、武満さんのコンチェルトをすべて演奏したり、
若い時の現代的な室内楽を演奏したり、
香津美さんと武満さんの映画音楽を弾いたり、
それからこの間は、「My Way Of Life」で、
図らずもピットのなかで、オーボエの場所から
武満さんのオーケストレーションを聴く機会をえたりして、
僕の武満さんはどんどん変貌してきました。

そしてもうひとつ、昨年あたりから、
ぼちぼちはじめているプロジェクトは、
彼の映画音楽をアダプトしてギターで再構築してみること。
2月に「スタジオ・パーク」で演奏した「他人の顔のワルツ」には、
誰の編曲ですか、から、楽譜ください、まで、
多くのお問い合わせをいただきました。

この「Film Music」プロジェクトは、
驚くべきかたちで、来年に向って実現されるかもしれません。
もちろん、「音」の作品としてですが。
実際に映画を見たり、
「夢の引用」という武満さんの映画論からも、
少しずつ彼のまぶたの内側にあったスクリーンに近づいてゆきます。
まだまだ初歩ですが、
少しずつ武満さんの映画音楽を弾いてゆき、
何かを蓄積させてゆくことでしょう。

もし良かったら、
みなさんも僕のコンサートにいらして、
来年に向って作り上がってゆくプロセスを楽しんでください。
武満さんの音のスクリーンを
一緒に探検してゆきましょう。

もちろん、その向うには、
自分で確信をもってのぞめる、
新しい「武満ギター作品集」の録音があるわけなのですが。

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