Film Scores 編曲ノート③  「今朝の秋」

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これは山田太一原作による
笠智衆を主人公にしたNHKドラマ3部作の3作目です。

先日、
3つ全部を見直しましたが、
音楽はそれぞれ
「ながらえば」(1982年)→ 湯浅譲二
「冬構え」(1985年)→ 毛利蔵人
「今朝の秋」(1987年)→ 武満徹
と、
豪華な布陣です。

笠智衆も
小津作品のように抑えた演技のみではなく、
様々な面を見せていて
気合が入っています。

とはいえ、
80年代のバブルの最盛期に描かれた
人間模様、
今から考えると
とんでもなく殺伐としていたり、
今よりもっと人情紙風船なところも感じます。

同時に、“明治の男”の生き様というか、
身勝手さ、頑なさというのは、
強い意志と献身的な人生への自己犠牲と
表裏一体になっていて、

その辺の哀感というのは
21世紀に生まれた人たちには
どう見えるんだろう、
と興味深くもあります。


不景気になったり、
大きな地震が二回もあったり、
災害が起きたり

そんなふうにして平成以後の日本は、
少なくとも多少は優しくなったのかもしれないし、

そうではなくてもっと悪いことに、
醜悪なセリフや弱者を
公共の放送で描けなくなってしまったのかもしれない。


どちらかわかりませんが、
80年代に普通だったやりとりは、
僕の記憶にあるはずなのにも関わらず、
見直すたびに不思議になっていく感じもします。


僕の個人的な感想ですが、
この3つのドラマの中では、
主役の笠さんは別として、

「ながらえば」
の宇野重吉と
「今朝の秋」
の杉村春子の
存在の威力というか
演技の破壊力というか、
凄いです。



あ、編曲ノートだった。。。


僕はこのドラマを見る前に、

小学館から発刊されている
武満徹全集の5巻の中で
この音楽を発見したのです。

びっくりしました。

どことなく、あれに似ている・・・・・!!!!!


そう、「すべては薄明のなかで」の
第4楽章の、何度も転調されて」繰り返される
主題に、です。


しかも「すべては薄明のなかで」は
1988年10月の初演ですので、
やはりドラマの直後の作品なのです。

なのでこの2つの作品は関連性があると思ってます。


ドラマ「今朝の秋」の音楽は
ギターだけでなく、ストリングス、フルート、クラリネット、他管楽器、
そして打楽器など、様々な小編成の管弦楽で演奏されていますが、
それにしてもこのメインテーマと、
ドラマの舞台となっている信州の自然のマッチングと言ったら、
思い出すだけで
ちょっと涙腺がゆるみそうな感じです。



ちなみにこちら、
https://fb.watch/72x3NmttCd/
最近メキシコの動画フェスティバルに弾いておくったものです。

だいたい15分30秒くらいから弾きます。


あとは、以前YAMAHAホールで弾いた短縮版です。




8月13日追記

新しく録画しました。























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