3つの戯画

西村朗さんの新曲、
「3つの戯画」が届きました。

これまで、朗さん(そうお呼びしているので。。。)の曲は
ギターソロのための「玉響(たまゆら)」
ギター協奏曲「天女散花」
フルートとギターのための「薔薇色の谷」
そしてこの夏の「天女散花ギター独奏版」と
初演させていただきました。

「玉響」は、もともとあったギターコンチェルトを書く、
という話の前に、トライアルの意味もこめて書かれた作品です。
でも、これにはたまげました。

ギターの開放弦を最大限に生かし、
左手を押さえたままの平行移動を使って
めくるめく幻想的でダイナミックな音響を
生み出してしまっていたのです。
しかもそこには、
哀感のこもった旋律まで登場します。

「天女散花」では、その平行移動はさらにつきつめて使用され、
苦しみや安らぎ、美しく花びらの舞い散るさまが
宗教的に表現されています。

開放弦をまじえた左手のコードの平行移動、
というと、
皆さんすぐ思いつくのは
ヴィラ=ロボスの作品ではないかと思います。

ある種、似た部分もあるのですが、
よくよく楽譜を読んでみると、
ヴィラ=ロボスの場合は、シンプルなトライアードのコードに対する、
テンション・ノート、またはオルガン・ポイントとして機能していますが、
朗さんの場合は、そのコードと開放弦を含む6本の弦が作り出す音列そのものが
旋律のように用いられている、ということが特徴。
おそらく、開放弦の関係ないピアノなんかで弾いても、
音楽として美しく成立しているはずです。


「薔薇色の谷」は
その発想をさらに超えた異色作で、
今度はコードを押さえるんじゃなくて
全部、ボトルネックでさわり続けてトレモロし続けるという、
ぐにゃぐにゃした音響が畝り出る驚異の作品。


今回の「3つの戯画」は
僕の初演させてもらうその次の作品です。
正確にはもう一つ
「天女散花」のギターソロバージョンがありますが、
それは概ね、原作に沿ったものでしたので。。。。

が、
この間、朗さんは「紫苑物語」という大作オペラと、
福田先生のための「パドマ」というとてもダイナミックな作品を
書いていらっしゃるのです。
どちらも傑作でしたから、
どのようになるのか、とても楽しみでした。


すると、ほんとうにびっくりさせられる曲がやってきました。

まず、
眼から鱗が落ちるような、
確かにそういうのあるけどこんな風に素晴らしい音楽になるのは
なんでなんですか、
というような、
そうですね〜
ヒントとしては最初から最後まで全部開放弦で伴奏する
ヴィラ=ロボスの「花の分類」の
そのまたさらに上を行くようなあっと驚く(驚いてばかりですみません)
第一楽章。
いや、これは、まさにコロンブスの卵、
あまりに卵すぎて、
これからインプロの最中に出てきてしまいそうです。。。。
そしてこれが、
これまで同様の平行移動路線から出てきているのもお見事です。
この楽章は、
皆さん、特に弾きたくなってしまうと思います。

そして、
ボトルネックを使ったロングトーンによる
長い歌が綾をなす第二楽章。
こういうアジア的な旋律線、
嫌いじゃないというか、むしろ得意な自分を
この間のタン・ドゥンのコンチェルトで発見してしまったばかりなので、
練習にも熱が入ります、きっと。


そしてそして、
第3楽章は!!
やられました〜、確かにこういう曲今までありませんでしたよね、朗さんのギターには。
オペラ「紫苑物語」で観て聴いた、
大地から湧き上がるようなプリミティヴなグルーヴのある、
早いタランテラのような6/8拍子のダンスです。
これは単純に、かっこいい曲です。


と、
このように、
今回の曲は難しいところもありますが、
比較的、というか絶対に、
“弾いたらウケる”
曲になっています。
すごいですね〜朗さん。。。
参りました〜〜〜。

頑張って練習しますので
皆さん、お楽しみに〜〜〜〜!!!!


F5A23305-6A74-4D67-BABB-761A70F7397E.jpg






















この記事へのコメント