自分になること
>>はじめまして様
「夜の太陽」の「月の光」は、再録音してあります。
編曲は、同じクレンジャンス編です。
僕は普段、ちょこっと音を変えて弾いていて、
アルバム「月の光」には、その変えた音バージョンが、
「夜の太陽」にはほぼ楽譜の通りのものが録音されています。
録音というのは、
その時々の自分の記録ですから、
今の自分がまったくそういう演奏をしていなくても、
ああ、こういう自分もいたんだな、という意味で、
昔のアルバムの写真を見るように懐かしく、
また、大切に思うものでもあります。
たくさんの方が聴いてくださって、
日々、応援を頂いている「月の光」というアルバムですが、
実はすごく複雑な状況で録音されたんですよ。
当時の僕は、
自分の周りの、製作や営業をしてくれているスタッフから、
武満さんに見いだされた、
繊細で、傷つきやすくて、ナイーヴな青年、という、
今では考えられない(- -;)イメージをまとっていて、
あるいは背負わされていて、
そこからはずれようとすることを、
いつも拒まれ続けていたんです。
でも、今のみなさんがご存知なように、
僕には、すごくやんちゃな部分や、
わがままな部分、ずぼらな部分があって、
もう、その、自分の先行イメ―ジが、いやでいやでたまらなかったんです。
武満さんだって、
この子は感受性の強い、壊れやすい子だなぁ、
って褒めてくださったのではないと思うんだけど。
かといって、
自分を、どう自分らしく表現して良いのかも、
ちゃんとはわかっていませんでした。
「月の光」というアルバムは、
そのような時期の、セールスとの折り合い、
自分が背負っている役割りとの闘い、
でも自分はほんとうはそういうキャラクターじゃないのに・・・
という葛藤の中で、
どうしても名曲集を録音しなくてはいけなくなって、
しかしながら、そんな時の自分には、とても有名な作品、
「禁じられた遊び」とか、「カヴァティーナ」とか、
「アルハンブラ~」とかは入れられないな、と思って、
「ピアノの名曲をギターで弾いた」アルバム、という、
いっぱいいっぱいの解答を出したアルバムなのです。
だから、
ごめんなさい。
好きじゃない演奏が、いっぱい入ってます。
そのかわり、
価格を下げることで、
自分のサンプル的な意味合いを持たせたのです。
とはいえ、そんなのは主観的なことだから、
自信のない演奏が収録されているだけに、
あのアルバムが大好きです、と言ってもらえると、
すごく救われた気持ちになるんですよ。
30代に入って、そういう自分から、
全力で脱走を企てました。
それまでは絶対やらなかった
荒削りな演奏、野性的な音楽、
試行錯誤の即興音楽、
マネージャー、録音のスタッフ、応援してくれる人たち、
お世話になった人たち、
みんなを一度はがっかりさせました。
それは必要なことでした。
ゼロから試行錯誤して、
武満さんが見つけてくださった自分、
そして、最大限に自分らしい自分との接点を見つけたとき、
初めて、自分のことをほんとうに理解してくれている
スタッフ、応援してくれているみなさん、と出会えました。
そして、
一度はがっかりしていた先輩たちも、
僕がもがいていたことを知り、
自分たちの誤解を認め、
僕を許してくれたんだと思います。
今、
そのようなバランスの中でこそ、
自分が自由にのびやかに、生かしてもらえているのがわかって、
すごくすごく、幸せで、感謝の気持ちに溢れています。
「夜の太陽」の「月の光」は、再録音してあります。
編曲は、同じクレンジャンス編です。
僕は普段、ちょこっと音を変えて弾いていて、
アルバム「月の光」には、その変えた音バージョンが、
「夜の太陽」にはほぼ楽譜の通りのものが録音されています。
録音というのは、
その時々の自分の記録ですから、
今の自分がまったくそういう演奏をしていなくても、
ああ、こういう自分もいたんだな、という意味で、
昔のアルバムの写真を見るように懐かしく、
また、大切に思うものでもあります。
たくさんの方が聴いてくださって、
日々、応援を頂いている「月の光」というアルバムですが、
実はすごく複雑な状況で録音されたんですよ。
当時の僕は、
自分の周りの、製作や営業をしてくれているスタッフから、
武満さんに見いだされた、
繊細で、傷つきやすくて、ナイーヴな青年、という、
今では考えられない(- -;)イメージをまとっていて、
あるいは背負わされていて、
そこからはずれようとすることを、
いつも拒まれ続けていたんです。
でも、今のみなさんがご存知なように、
僕には、すごくやんちゃな部分や、
わがままな部分、ずぼらな部分があって、
もう、その、自分の先行イメ―ジが、いやでいやでたまらなかったんです。
武満さんだって、
この子は感受性の強い、壊れやすい子だなぁ、
って褒めてくださったのではないと思うんだけど。
かといって、
自分を、どう自分らしく表現して良いのかも、
ちゃんとはわかっていませんでした。
「月の光」というアルバムは、
そのような時期の、セールスとの折り合い、
自分が背負っている役割りとの闘い、
でも自分はほんとうはそういうキャラクターじゃないのに・・・
という葛藤の中で、
どうしても名曲集を録音しなくてはいけなくなって、
しかしながら、そんな時の自分には、とても有名な作品、
「禁じられた遊び」とか、「カヴァティーナ」とか、
「アルハンブラ~」とかは入れられないな、と思って、
「ピアノの名曲をギターで弾いた」アルバム、という、
いっぱいいっぱいの解答を出したアルバムなのです。
だから、
ごめんなさい。
好きじゃない演奏が、いっぱい入ってます。
そのかわり、
価格を下げることで、
自分のサンプル的な意味合いを持たせたのです。
とはいえ、そんなのは主観的なことだから、
自信のない演奏が収録されているだけに、
あのアルバムが大好きです、と言ってもらえると、
すごく救われた気持ちになるんですよ。
30代に入って、そういう自分から、
全力で脱走を企てました。
それまでは絶対やらなかった
荒削りな演奏、野性的な音楽、
試行錯誤の即興音楽、
マネージャー、録音のスタッフ、応援してくれる人たち、
お世話になった人たち、
みんなを一度はがっかりさせました。
それは必要なことでした。
ゼロから試行錯誤して、
武満さんが見つけてくださった自分、
そして、最大限に自分らしい自分との接点を見つけたとき、
初めて、自分のことをほんとうに理解してくれている
スタッフ、応援してくれているみなさん、と出会えました。
そして、
一度はがっかりしていた先輩たちも、
僕がもがいていたことを知り、
自分たちの誤解を認め、
僕を許してくれたんだと思います。
今、
そのようなバランスの中でこそ、
自分が自由にのびやかに、生かしてもらえているのがわかって、
すごくすごく、幸せで、感謝の気持ちに溢れています。
この記事へのコメント
心から楽しんでいるその弾き姿から
キラキラした喜びのつぶつぶが伝わってきて
ものすごくハッピーな気持ちになったことを
思い出しました
何かあるのだろうと思っていました。
でもその秘話は絶対聞けないだろうと思ってました。
全てではないのでしょうけれど、このような場で語ってくださってありがとうございます。
ライブで少しずつその時々の”今”の大介さんの演奏を聴けることをまた楽しみにしています。
その人となり&音楽に惚れ込んでいますが
“自分になろう”と頑張っていた頃の
大介さんに出会っていたとしても、
やはり、その生き方に、音楽に
魅了されていたと思います^^
アルバム「月の光」は
数ある大介さんのアルバムで、
どれを聴こうか迷った時によく聴く1枚で、
ギター上手になりたい…って
憧れの気持ちが溢れてきます^^♪
「夜の太陽」も大好きで^^;
キラキラしてる音色に
恍惚と酔いしれて浸っていたくなります♪
どうしたらこんなに美しい音が
出せるのでしょうか(>v<)!!
いつの時代の大介さんにも…
心に響く音楽&幸せな感動を
ありがとうございます^^
CDを聴く時にいつもア-ティストの方がどういう状況の中で心で弾いているのか凄く感じようとして聴いているのですが、、本当に色々あるのですね。
CDは是非2枚買って聴き比べながら勉強しつつも楽しみたいと思います☆
ありがとうございました!
ぶつかって、乗り越えて、前に進んでおられるんですね。その時があったから今があるのだと思える
よーに、私も日々大切に過ごしたいと思っています。
「月の光」好きですよ。
つい先日、ギターの師匠にも
こちらの日記を拝見する前に
大介さんの「月の光」好きなんですよねー
音楽も書物も絵画もそーですが、
感じる側も、その時々によって
感じ方が全く異なりますし、
そーでないと、そーだからこそ、
生きていることを実感できるのでは
なかろーか、などと思ってしまいます。