ギタリスト 鈴木大介のブログ

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zoom RSS 怒りの道は短く、寛容の道は遠い

<<   作成日時 : 2007/04/23 23:16   >>

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昨日、共演させていただいたハーモニカの崎元譲さんとは、
実に9年ぶりの共演でした。

吉松隆さんの「優しき玩具」をはじめ、
ハーモニカとギターの、
素晴らしい作品は、崎元さんのために書かれたもの。
「海へ」を小泉先生と演奏するように、
初演者の方と演奏するのは、
ひとしおの感慨深さと、感謝の念が湧いて、
うるうるしてしまう者なのです。
しかも、崎元さんのハーモニカの音色の、
素晴らしいことといったら!!
金属のリードが、あたたかい心を持っているかのように
いろいろな感情で振動しているのは、
横でひいていてとても感動でした。

崎元さんは、若い頃から
様々なギタリストと共演されていて、
自己に厳しいギタリストたちの生き様や、
一風変わったエピソードなどをたくさんご存知のようです。

そんな話を聞きながら、
僕には、それほどまでに
人生の重みを受けとめることはできないな、
きっと、往年の凄まじい名手たちは、
その重さとひきかえに、
壮絶な演奏を生み出していたのかな、
なんて思ったら、
崎元さんも、「そうなんだよ」と
同意してくださいました。

そのような、
人生を闘い抜き、太く短く生きたギタリストたちに比べたら、
僕なんて、ひょっとしたら要領が良いだけの
自分のない人間に見えるかもしれません。
だけど、ちょっと開き直っているみたいですけど、
僕は、自分の失敗や、世の中の不条理には、
とんと無頓着で、
また明日頑張ろ〜、と、
酔っぱらって寝てしまうたちなのです。
だから、いろいろなことが、
自分のなかでは致命的にならずにすんでいるのかも。
でも、僕だって、
彼らのそんな生き方を、
時にうらやましく思うし、
自分の愛想の良さを戒めることだってしばしばなのです。

崎元さんのお話に出て来るギタリストたちは
自己の芸術に厳しいあまりに、
自分のことも、まわりのことも、
折り合いをつけられずに悩んでしまい、
最後にはそのことが、身体の健康を蝕んでゆきます。

同じ芸術家の、
末席に続かせていただく者として、
そのような真摯な生き方に、多くを学び、
一晩一晩のステージに、
すべてと最高を望む、というのは、
もしかしたら、僕の残りの人生が短くなっていくのとともに、
切実な問題となってゆくのかもしれません。
今は、まだ、実感がありませんが・・・・

そして、その誠実さを仰ぎ見つつ、
寛容の気持ちをもって、
毎日のストレスを、美しいものに触れることや、
宴にほろ酔うことで薄められていけている、
それができている今、この瞬間は、
僕は楽天的な人生を送らせてもらっているのかも。

このごろ、考えるのは、
闘ったり、憤ったりする気持ちは、
若い頃と同様にあるにもかかわらず、
刹那に感情を吐露するよりも、
許したり、愛したりすることの方が、
ほんとうはもっともっと難しく、
厳しい行為なのだということが、
年々実感されて来るな、ということ。

僕は、どんな大人になるのかわからないけど、
あるいは、どんな大人に見えているのかわからないけど、
輝きと自発性を失わずに、
大きく深く心を鍛えていきたいし、
その道程は、
これからも、まだまだ、長い長い時間がかかってゆくようです。



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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
とてもステキな文章に思わずコメントしたくなりました。

>その誠実さを仰ぎ見つつ、
>寛容の気持ちをもって、

>刹那に感情を吐露するよりも、
>許したり、愛したりすることの方が、
>ほんとうはもっともっと難しく、
>厳しい行為なのだということが、
>年々実感されて来るな、

同感です。
私もまわりを、そして自分自身を見守っていくことの難しさを感じています。
そして“めぐり愛”“つながる”ことの大切さをじ〜くり、じわ〜っと感じております。
まえちゃん
2007/04/24 07:47
はじめまして。
先日のコンサートにうかがわせていただいた、崎元譲に師事するハーモニカ吹きです。

先日のコンサート、大介さんの素晴らしい音楽、特にその素晴らしい音色にあらためて聞き惚れてしまいました。実は10年近く前の成増アクトホールでの師匠とのコンサートにもうかがわせていただいておりますが、その時と比べ物にならないほど感動させていただきました。

大介さんが書かれているギタリストさんのことは師匠からも何度か話を聞いております。我が身を削って、それを音楽へと昇華させていったギタリスト。その生き様にも感動を覚えますが、大介さんにはぜひ長く、我々に感動を伝え続けていただきたいと心より願っております。
ますみ
2007/04/26 12:58
はじめまして。コンサートに行きました。こんなギターは、初めてで、びっくりして、家に帰ってからも、幸せが続くようでした。ハーモニカもギターも音が光るんだなーって思った。
とよた
2007/04/27 18:56

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