武満さんのスクリーン

武満さんがご存命のとき、
僕のテープを聴いて、
全集をつくるようにおっしゃってくださいました。
実際、作業続行中に彼はなくなってしまいましたが、
CDは完成し、多くの方々に聴いていただくことができました。

あれからもうすぐ10年ですが、
その間に、武満さんのコンチェルトをすべて演奏したり、
若い時の現代的な室内楽を演奏したり、
香津美さんと武満さんの映画音楽を弾いたり、
それからこの間は、「My Way Of Life」で、
図らずもピットのなかで、オーボエの場所から
武満さんのオーケストレーションを聴く機会をえたりして、
僕の武満さんはどんどん変貌してきました。

そしてもうひとつ、昨年あたりから、
ぼちぼちはじめているプロジェクトは、
彼の映画音楽をアダプトしてギターで再構築してみること。
2月に「スタジオ・パーク」で演奏した「他人の顔のワルツ」には、
誰の編曲ですか、から、楽譜ください、まで、
多くのお問い合わせをいただきました。

この「Film Music」プロジェクトは、
驚くべきかたちで、来年に向って実現されるかもしれません。
もちろん、「音」の作品としてですが。
実際に映画を見たり、
「夢の引用」という武満さんの映画論からも、
少しずつ彼のまぶたの内側にあったスクリーンに近づいてゆきます。
まだまだ初歩ですが、
少しずつ武満さんの映画音楽を弾いてゆき、
何かを蓄積させてゆくことでしょう。

もし良かったら、
みなさんも僕のコンサートにいらして、
来年に向って作り上がってゆくプロセスを楽しんでください。
武満さんの音のスクリーンを
一緒に探検してゆきましょう。

もちろん、その向うには、
自分で確信をもってのぞめる、
新しい「武満ギター作品集」の録音があるわけなのですが。

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この記事へのコメント

CaffeineSphere
2005年06月09日 03:03
初めまして。
実は、もう何年も前ですが、神田の楽器屋さんで急遽大介さんの公開レッスンが始まったという現場に偶然いたことがあるものです。そのとき、僕はギターを購入して帰るところでした。
以前、TV番組で武満さんが大介さんのギターの音色に感動して、大介さんのためにギター曲を作った、と聞いたように思うのですが、この話は正しいでしょうか。ネットで調べても確認できる情報が見つかりませんでした。失礼ですが、もうご本人に確認するしかないと・・・。最後の手段です!
良かったら教えてください。

武満さんは、よくコンサート会場でお見かけした思い出があります。
げんきくん
2005年06月10日 20:05
武満さんの映画音楽聴いてると、音が頭の中で映像を運んできては、その映画こんなんだろうかと勝手に想像していました。実際にフイルムの映像と音楽が重なるということは、夢が現実になるということなんでしょうか。
daisuke
2005年06月11日 02:13
CaffeineSphereさん、残念ながらそのような事実はありません。 僕も、武満さんをよくコンサート会場でお見かけしました。となりの席だったこともありますが、僕のテープを聴いて、 ほめてくださった武満さんにお願いして、当時未出版だった「ラスト・ワルツ」の楽譜を送っていただいたことが、唯一の交流でした。また、生前発表されなかった「森のなかで」ですが、この作品が存在していることはご存命の頃から伺っており、録音の許可もいただいていたと聞いています。ただし、「森のなかで」に含まれる3つの小品には、それぞれ献呈者が記されており、「その方たちよりも先に初演してもらうわけにはいかないので、出版されてからということでなら」というふうにおっしゃっておられたそうです。なくなられてから、出版されるのを待っていたところ、荘村清志さんの初演の日(たしか10月14日でした)に出版されることが決定し、僕はその直後の12月上旬には録音していましたから、「世界初録音」ということになりました。

CaffeineSphere
2005年06月11日 03:35
詳しく教えていただいてどうもありがとうございます。どうやら、僕の誤解か、勘違いだったようです。もしかすると、その「ラスト・ワルツ」のことがこんがらがってしまったのかもしれません。

それにしても、武満さんにはもっと長生きしてほしかったですね。特に、構想のみで終わってしまったオペラが聴けなかったことが悔やまれます。完成を前提とすれば、これはもう世界の、そして今後の音楽史における大きな損失と思います。

ところで、最近はアルバム「月の光」を気に入って良く聴いています。僕の勝手な思いこみだとは思いますが、この演奏のような個性のあり方、個性の表現の仕方に時代的な新しさを感じています。本当にすばらしいですね。
gohei
2005年06月11日 12:18
私の大好きなアルバムも「月の光」です。
今「武満徹ギター作品集成」を毎日聞いていますが、「森のなかで」などの現代音楽は、今までなじみの無かったカテゴリーなので、もう少し聞き込んでみます。
wolfgang_a
2005年06月14日 22:20
田舎に住んでいるので、コンサートには行けないと思っていましたが、タイミングよく、東京に行く用事ができたので、思い切って、18日の Hakuju チケット取っちゃいました!
大介さんの生演奏を聴きにいけるのが、今から楽しみです。
勝手な希望というか僭越なお願いというか、こういうのマナー違反なのかもしれないのですが、アンコールで、武満12の HEY JUDE が聴けたらうれしいなぁ・・・、テーマと離れちゃってダメですかね?(アンコールの曲は事前に決めてしまっているものなのでしょうか?)

ところで、私は、武満集成の CD の中では、その HEY JUDE の演奏が特に好きです。
サラサラと爽やかに弾き終えてしまう方もいますが、大介さんのように独特のタメでアクセントをつけて、本当に語りかけているかのような、ものすごくいいリズムと雰囲気を作る演奏が、ものすごく好きです。

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