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<<   作成日時 : 2018/05/23 08:10   >>

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ポンセが編曲したバッハのチェロ組曲第一番の前奏曲。

子供の頃、初めて買ったセゴビアのベスト・アルバムで
一番のお気に入りだった曲です。

大人になって、
風潮もあり、バッハはセゴビア編でなんか弾いてたらダメよ、
みたいなことになっていたこともあり、
自分でオリジナルのチェロ版から編曲して
弾いています。

組曲全体もひと頃暗譜していて幾度となく弾きましたし、
前奏曲のみは「キネマ楽園 Baroque」に録音もしています。


ただし、この前奏曲の場合、
最後の半音で上がってゆくところに
ポンセとセゴビアが付け足した和音、
セブンスの平行移動みたいなところは
(厳密にはそんなに平行移動ではない)

演奏効果として捨てがたく、

どうしてもその部分、
例えば組曲全体を弾くときにチェロ版に戻して単音で弾くのが
とても悔しい部分なのでした。
こっそり6度の重音にして平行移動で弾いてたり。


最近、
ポンセの組曲を練習したついでに
ポンセ編のBWV1007の前奏曲も見直していましたら、

もうこの、和洋折衷ならぬ
新古折衷的な世界観は、
これはこれでありなんじゃないか、

だって俺よく考えたら古楽ったってモダンのギターで弾いてるんだよ
そもそも楽器の選択が折衷案だよ、
と思い始めまして、

ところがそう思いながらじっくり見直してみると、

一般に流通している“ポンセ編”の楽譜というのは、
セゴビアが弾いているバージョンと微妙に異なるわけなのです。

で、
細かく検証いたしましたところ、
いくつかの付け足された8分音符の低音の動きで
出版譜にみられないものは

(セゴビアとポンセのやりとりは密だったので
出版されてるのが初稿でその後ポンセとセゴビアが
どちらとなくさらに付け加えた低音である、
という可能性は消え去らないものの・・・・)

セゴビアの加えた創作であるような気がしてまいりました。



というのも、
ポンセはこの前奏曲に低音を加えるに当たっては
非常に慎重を期しており、

(その割にはハーモニーの付け足しは意外とざっくりなんですが)

少なくとも原曲のラインとオクターブで重複する低音は
(出版譜をポンセ編の全容と信じるのであれば)
ほとんど書いていないのです。

セゴビアの演奏の加えられた8分音符の低音の動きの中で
2箇所、ポンセ編の出版譜にはないすごくかっこいいところでは
オクターブの重複ができています。
低音のラインをメロディックにしようと順次進行させた結果、
原曲のラインとオクターブで重なるところができるのです。

それらがそのまま楽理上絶対的な間違いである、
というわけではなさそうですが、
少なくともポンセがほとんどそういうことをしていないのは
確実なので、

しつこいようですが

出版譜をして
ポンセの編曲の全容であると前提すると、
セゴビアのさらなる付け足し低音は、
とてもかっこいいけどところどころ旋律線への欲望が優って
理論的な整合性より直感的な音楽性が優先されている、
と言えるかもしれません。




長々説明してますが

結論としては

「ポンセ編は思ったより過激にロマンティックになっていない
(けっこうリーズナブル)」


ということです。

ピアノのブゾーニ編のシャコンヌや
ヴァイオリンのクライスラー編のバッハ、
セゴビア編の他のバッハに比べると
全然紳士的というか現代的。


そこで、
(やっと話が前に進んだ)

このくらいな新古折衷主義なのであれば、

後続の舞曲も同じような方針で編曲して、
繋げて弾いても違和感がないのではないか

と考えるに至り、
編曲してみました。



以前に自分で弾いていた
バロック様式的な解釈に基づいた編曲と比べて
はっきりとしたテイストの違いは、

上声のメロディーに
本当に時々ですが、
補強の和音をつけている、というところかな?

例えば、
考えようによっては
ここはメジャーセブンスが聴こえてもいいよね、
というところには、
以前は音を伸ばして混ぜ合わせることで
なるべくそうなるようにしてたのが、
はっきり重ねて補強してしまったり、とか。


これはポンセも前奏曲の中でやっていることなので、
組曲全体の編曲の統一感には一役買っていると言えるでしょう。


それにしても
毎回低音付け足すのに苦労するのは最後のジーグ。。。。


原曲の旋律線はうまくできすぎていて
低音を足すと重複に聴こえます。。。。

リュートの演奏も改めて3~4種類聞いてみたけど、
何も加えずやり過ごしている例がかなりありました。

足すと若干元のメロディーを変えざるを得ない、
というところで、
う〜ん、結果ギリギリのいい感じの落とし所になったかな?
なってるのかな???

これから弾いてみるうちに考えます。。
いつかどっかでお聴きいただける日を願っております。。。。




































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