ギタリスト 鈴木大介のブログ

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zoom RSS アーノンクールの運指

<<   作成日時 : 2015/12/09 02:28   >>

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引退を表明されたニコラス・アーノンクール氏。

いつもひとつ覚えみたいに書いてますが、
僕がザルツブルグで習っていた
ホアキン・クレルチさんは
なぜかギタリストなのにアーノンクールの弟子でした。

彼がモーツァルテウムの生徒だったときは
(多分90年代の始め)
アーノンクールさんが実際に授業をされていて、
老若男女、比較的幅広い層の人たちが
レッスンを受けることができたそうです。

そこで彼は、
アーノンクールさんとともに、
ギターの名曲「魔笛の主題による変奏曲」や、
バッハの「プレリュード、フーガ、アレグロBWV998」
なんかを一緒に解釈していく、というレッスンを
行ったそうです。

ですから、
ホアキンさんが弾いているBWV998は、
いわゆる“ニコラス・アーノンクールと共に考えた運指”
なのだそうで、
ホアキンさんは手がでかいので完全には踏襲できなかったけど、
その当時の僕もかなりな部分、
それで練習した覚えがあります。


ホアキンが、
生徒の肩に手を当てて、
まるで脅かすように震わせながら
アポジャトゥーラの説明をするのは
師匠ゆずりらしいし、
彼は実際、アーノンクール氏による
推薦状まで持ってました。
すごいことだ。。


僕が教わった中で
もっとも印象的だったのは、
バロック音楽における
“ルバート”や、“グリッサンド”が
目の敵にされていた90年代初頭、
つまりそのころは、
今では考えられないけど、
モダンの、しかもギターの奏者は特に、
バロック音楽の演奏はスラーを使わず均質な音で、
という迷信が真摯に実行されていた時代に、
ホアキンさんが、BWV998のある場所で
「バッハの時代、リュートのフレットが金属だったなら、
絶対にグリッサンドを使っていたはずだ」
とアーノンクール氏が言われていたということで、
同じ指のスライドによるスラーを要求していたこと。

日本に帰ってそれをやったときは
バッハを前時代的にロマンティックに弾く、と
風当たりが強かったけど。。。。
(料簡の狭い話ですが、けっこうそれは根に持っている。)



ちなみに、
ここで言う“グリッサンド”とは、
主に半音、または全音関係にある2音間をスライドさせるもので
それ以上幅の広い音程間のスライドについては、
実践したことはありません。
そこは、どうだったんでしょうね・・・・・

解釈は時代とともに変わりますので、
僕らはその流動的な時代のなかの一点をとらえようとして
音楽をしているのですが、
最後に説得力があるのって、
意外とその演奏家がどれだけその解釈によってもたらされる音楽を
心から愛せているのか、だったりしませんか?

そういう意味では、
僕はどの時代のどの解釈による演奏も
愛おしい気がします。


















































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