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zoom RSS シューベルトのアルペジョーネ・ソナタ

<<   作成日時 : 2015/06/04 02:37   >>

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水谷川優子さんとのリハーサルも
回を重ねてきまして、
それぞれの曲がそれぞれの曲らしくなってきました。


アルペジョーネ・ソナタは
僕は優子さんと共演するまでは
ヴィオラやフルートとしか演奏したことがありませんでした。
ヴィオラだと、音量の差をそれほど気にしなくて良いので、
わりと楽なんですね。


チェロの場合
そうとう激しく弾かれてギター聴こえないんじゃないかな、
と心配していたら、
優子さんはとても繊細に弾いてくださるので、
会場によっては若干のPAで補正をすれば
まったく問題ありません。

チェロと演奏していて面白いのは、
音域が似通っているので、
時折一本の楽器みたいに鳴ることがあることです。

共鳴弦で自由に和音が弾ける擦弦楽器、というか、
たとえばピアノやアコーディオンで左は弦を弾く音なんだけど
右は弦をこする音に鳴る楽器があるとか、
まさにそんなイメージが膨らむような
不思議な世界です。


それから、二人とも共通のイントネーションというか、
優子さんはオーストリアとドイツ長いですし、
僕も住んでいたことがありますので、
共通の“なまり”みたいなことがわかっていて、
それが合ったりするととても楽しいです。


シューベルトの記譜には、
解明されていない表現記号や、
意外なダイナミクスの表記がありますが、
そういうのも、合わせをしていると、
自然と理解されてくるような気がします。


多分、シューベルトの音楽というのは、
構築的に設計されたコントラストをつけたり、
無理矢理なインテンポに音の強弱をはめ込んだり
するようには書かれていない気がします。

力を抜いた状態で、
無作為に音を置いて行くと、
そこに自然な呼吸感や、強弱や、テンポの揺れ、
それから、前後関係や時間の経過から起こる
微細な陰影がつくのが、
良い雰囲気に導いてくれるような気が。。。。



以前に3度ほど
「水車小屋の娘」を演奏したことがあります。
20曲あるひとつひとつを、
この曲は力をこめて、とか、
ここではセーヴして、のように演奏するのではなく、
ただただそれぞれの曲を
書かれているままに弾いていくと、
1時間後にあの“小川の子守唄”がやってきて、
自動的にそれを5番まで弾くと
よれよれになって息も絶え絶えになっていく(笑)。


日本で、後期ロマン派の音楽っていうと人気のある
シューマンとかチャイコフスキーなんかを聴いていると、
明らかにメリハリというか、準備をする部分と、
キメのところがあって、そのサビみたいのが
スパっと決まるとぐっと来る、という、
全体が波の引き寄せのように
有機的に奉仕しあう感じがあるんですが、
シューベルトはそういう西欧の征服支配するタイプの
音楽づくりとちょっと離れたところにあるというか。。。


昔はシューベルトっていうのは、
だからアマチュアだったんだ、とか、
ピアノのことを知らないじゃないか、
とか言って嫌厭する先生も多かったって聴くけど、
たしかに学校で教えてて若者が頬を上気させて盛り上がるタイプの
音楽ではないからな〜。



最近の研究では、
シューベルトの生前に出版された作品数というのは
かなりなもので、
よって、貧乏なんかではなかったんじゃないの!?
という説まであるそうですが、
それはどうかは別として、
シンフォニーとか、ピアノ・ソナタを
時系列順に聴いていくと、
たしかにあるところでドロップアウト、というか、
競争社会から逸脱して別のことをやり始める感じがあって
その達観というか諦観というか、
それにプラスしてだからこその童心帰りみたいなものが
とてもシューベルトだと思いました。




アルペジョーネは
まさしくその寄る辺ない感じと無邪気で純粋な雰囲気が、
湖と草原で独り蝶と戯れている老いた狼みたいな感じでしょうか.....!?!?!



なにはさておき、
ラストスパートがんばります。。。。
































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