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zoom RSS 完結する保証はまったくないカステルヌオーヴォ=テデスコの解説 その3

<<   作成日時 : 2015/05/19 23:26   >>

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続きです。

11番 ヘ短調
cupo e spettrale、と書いてあります。
cupo は陰鬱に、spettraleは
ここでは幽霊のように、という意味なんじゃないかなぁ・・・
スペクトラル楽派とは、関係ないと思います。

このプレリュードの冒頭、
長いトレモロの音符を、
指の腹で演奏する場合もあります。
その方がたしかにおどろおどろはしますよね。
今回は普通のアップダウンの、マンドリンみたいな
トレモロで演奏しますが・・・

フーガにも悲しい表情は引き継がれています。
この曲集のフーガではたびたび起こることですが、
曲の半分くらいのところで、わりと突然、なんにも断りなく(!?)
フーガの主題が反行型になります。
反行型というのは、本来の主題を鏡に映したように、
上下さかさまにすることです。
さかさ富士みたいになるんです。

曲のクライマックスでは
その反行型が20フレットのドを要求します。
20フレッとない人はハーモニクスで弾いてね、
って書いてあるけど、それはそうとう難しいんじゃないのかなぁ。



12番 ハ長調
本来は曲の始まりにくるべき調が12曲目でやっとでてきました。

トランペットのファンファーレのように華やかな伴奏に、
フーガと同じ主題の一部が絡み合います。

フーガではその主題のあともう半分、
民謡調も結尾部分がくっついてフーガ主題となります。
掛け合いというよりは、2本のギターが追いかけっこをしているような
快活なフーガです。



13番 ト長調
トリッキーですが
ここで短調と長調の順番がいれかわります。
ということはこの後は1~12番までの同主調が続くことになりますね。

プレリュードは分散和音と付点のリズムが印象的な元気な作品。

フーガはテンポ・ディ・メヌエットとあります。

どちらの楽章も、
ドビュッシーからの影響を感じますが、
特にこのフーガの中間部分はドビュッシーの「小組曲」の
メヌエットを思い起こさない訳ではありません。

実際、カステルヌオーヴォ=テデスコの作品には、
非常にドビュッシーに雰囲気が似ているものがあり、
それがもう少しストレートで直接的な表現になっていることに、
カステルヌオーヴォ=テデスコらしさが感じられます。

たとえば、
イタリア弦楽四重奏団とかが演奏する
ドビュッシーの弦楽四重奏曲なんかを聴くと、
その演奏がフランス的な雰囲気を醸し出そうということよりも
音楽のストラクチャーに専念しているので、
ぱっと聴いた感じ、相当カステルヌオーヴォ=テデスコの
ギター5重奏曲に似て聴こえます。
逆ですけど。
カステルヌオーヴォ=テデスコがドビュッシーに似てるんですけどね。

だからカステルヌオーヴォ=テデスコの曲を演奏する時、
ドビュッシーだと思って弾くとぜんぜん違う景色が見えたりすることがあって、
楽しいです。



14番 ニ短調
カステルヌオーヴォ=テデスコに限ったことではありませんが、
どうしてもギターで6弦をドロップDに半音低くチューニングすると
大時代的で華麗でダイナミックな曲書いてしまうんですね。
この曲などもその典型。

プレリュードは主題よりもその背後に動く
半音階のトライアードが不思議な魅力です。

フーガではその主題が拡大されたり縮小されたりしながら
大きなクライマックスを形成します。



15番 イ長調
プレリュードの冒頭部分には歌詞がついています。
I hear America singing
という、ホイットマンの詞です。
カステルヌオーヴォ=テデスコが作品ひとつひとつにこめた、
貴賤を問わないすべての民衆の歌声、のようなテーマへの
オマージュなのかもしれません。

フーガはガヴォットになっています。
これがかわいく聴こえるんだけどなかなかの
左手ハイポジションの嵐。
そしてプレリュードの主題との関係性も
至高の職人芸と言えましょう。



16番 ホ短調
プレリュードはジーグというか、スペインというか、
とにかく急速な舞曲調です。
この曲は僕は2ndを弾いているんですが、
毎回でてくる音型が微妙に違うので
とっさに対応できず、
これはこの後2日間でもう一回部品に戻して
ブラッシュアップしないとだめですね・・・


フーガは半音階を用いた
お得意の暗示的な作風。
中間の嬉遊部では、
なんと次のロ長調のプレリュードを
予告するおまけつきです。。



























































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