ギタリスト 鈴木大介のブログ

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zoom RSS 影を慕いて

<<   作成日時 : 2015/04/11 02:00   >>

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僕は昭和45年生まれです。

子供の頃、よくおばさんの家に
ご飯を食べにいっていたのですが、
ギター教室もおばの家の近所でしたので、
ギター持っておばの家にいると、
だいたいおばのお客さん
(おばは呉服のたんものを売っていた)
がやってきて、
「あら〜だいちゃん、ギター弾けるの〜
○○とかいいわよね〜」
と言ってリクエストしてくる
○○が、昭和歌謡もしくは演歌系で、
そのダントツ一位は古賀政男先生の曲でしたが、

うちは母も父もほぼまったく日本の歌謡曲を聴かず、
小学生の時に自分で発見した
ジュリーの「勝手にしやがれ」が
自分にとっての歌謡曲の始まりだった僕は、
リクエストされた曲をまったく知らず、
「・・・・・・は!?」
みたいな感じでフリーズしておりました。


もう少し経って、
まだ小学生だったと思いますが、
テレビで渥美清さんが古賀政男を演じた
伝記ドラマがありました。
それを観て、
「へ〜、こんな人がいたのか〜」
と、とても印象に残りました。


大人になって、
一晩まるまる古賀政男作品を伴奏する歌曲の演奏会、
というのがあり、
しかも代々木の古賀政男記念館にある
けやきホールでの会で、
原曲をあまりに知らない僕にあきれることなく、
親切に古賀政男さんについて解説してくださり、
自筆譜はじめ貴重な資料を見せてくださった
会館の方のご厚意は忘れられません。

その時にうかがった、
「どんなアレンジをしても先生はおしかりになりませんよ~」
の言葉を頼みに、
「丘を越えて」をアレンジしたのがその数年後。



新藤兼人監督から
「一枚のハガキ」の劇中で演奏するために送られてきた
「影を慕いて」の楽譜が、
その折に観た自筆譜だったので、
とても嬉しかったのを憶えています。
映画の中では暗譜で伴奏だったのでスリリングでしたが、
そのあと林光先生が書いた音楽も、
少し「影を慕いて」と絡んでいるところがありました。



じつはそれとは他に、
もう一度、
キングレコードの仕事で頼まれて、
日フィルの「日本の叙情歌」集みたいなCDで
「影を慕いて」弾いたことあるんです。
フルオケの前で、イントロだけ。



と、ここまでで、
僕は、たぶんクラシック・ギタリストが
老人ホームへの慰問などを別として
ほとんど弾くことがないであろう
「影を慕いて」を、

なかなかディープな状態で
3度弾く、という、
希有な、因縁の(!?!?)持ち主なのでした。



ある時、
ふとこれを日本古謡のようなアレンジで弾くアイデアが浮かびました。

というのも、
古賀政男さんご本人によるギター譜は、
いわゆる西洋音楽における禁則だらけなのですが、
それはなぜかというと、
その当時の三味線伴奏の日本の謡曲の雰囲気を
ギターで出そうとしたためらしいのです。

で、
それを後になって、
きちんと音楽を勉強されたアレンジャーさんが、
正しいセオリーで和声付けし直しているのですが、
やはりその瞬間に、
失われているものがあるのに気づく。


ぜんぜん遠い例ですけど、

ボサノバの、ジョアン・ジルベルトの和声なんかをみていると、
例えばDメージャーとかで、
フォークやロックみたいなオープンでルートがDの
Dメジャーはほぼ弾かない。
そこに味わいが出るんですよね。

で、話をもどして
「影を慕いて」ですが、

この曲はDマイナーですが、
古賀政男さんの自筆譜には、
ドミナントの和音のA7は一度も出てきません。

全部Asus4なんです。

なんか、そういう細かいことが
とても意味のあることに思えてきたので
日本古謡に似せたアレンジにすれば、
そういう色づけがより明確に出るんじゃないかと
思ったのです。



今回収録したアレンジは、
一度書いて、弾いてみて、
むずかしすぎて、書き直し、
その後また寝かせて書き直して、
昨年八女市のコンサートで弾いてみて、
やっぱり難しくてまた書き直して、
ようやく出来上がったものです。

今回のは気に入っています。
このまま譜面も出版できるし、
演奏会でも弾いてみたいな、
と思うくらいにようやくなりました。




























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