ギタリスト 鈴木大介のブログ

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zoom RSS 波紋、泉、滴

<<   作成日時 : 2012/07/02 23:58   >>

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林先生の遺稿を整理されている
Iさんから、

ギターソロのための3つの作品の楽譜を
送っていただきました。


波紋、というのは、
鈴木一郎さんも録音されている少し現代的な小品。

響きの厳しさや、
演奏家にとってはある意味恐怖の、

しかし、絶妙な必然性のある「余白」が
特徴的です。


響きの厳しさ、と書きましたが、

2音とか3音が重なっただけの
シンプルな和音でも、

書かれ方によっては
多くを語るものなのです。

1964年の作品です。



「泉」と「滴」は、
スズキヨシエさん、という方のための
おそらく一対の小品なのですが、

こちらは
美しく叙情的な素材で書かれてあります。

沖縄風の音階や
アルペジオの美しさなど、

少し「北の帆船」に通じるところもありますが、

もっとシンプルで、

各場面の連なりの変化は
演奏家の創意によって
かなり「活き」の良さが影響を被るであろう、と思われ、

演劇的な要素が多いとも言えます。



林先生の音楽は、

その成り立ちや彼の若い頃の姿勢から、

社会にたいしての働きかけや、
闘う姿、ということが強調されるわけですが、

ある意味でそれは彼の後天的に獲得した一面のような気が、

同志である諸先輩がたからのお叱りを恐れずに言えば

僕にはしています。



彼自身のお人柄はとてもリベラルでしたし、

分け隔てのない慈愛に満ちていました。


ギター協奏曲「北の帆船」や
その後に発表され代表作の一つとなった
ヴィオラ協奏曲「悲歌」を聴いていると、

ヒューマニズム、と言ってしまうとおおざっぱすぎますが、

虐げられた人々や民族に対する公平な愛情、

打ちひしがれ、涙に暮れている人々の想いの
救済への強いねがい、を感じます。


そしてその過程で、

それを妨げているものが
何かのシステムならば、それとも闘うし、

ある種のプロテストも辞さない、という姿勢なのだと思います。



僕には、

「北の帆船」は、

ただただ、人間をも含んだ自然への、

大きな讃美の音楽です。








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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
「波紋、泉、滴」きれいな題名ですね。いつか聴ける日を楽しみにしています。いよいよ「北の帆船」を生で聴けると思うとわくわくしています。さらに大介さんの文章で心が解放されたような気持になりました♪
kobo
2012/07/04 18:00

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