ギタリスト 鈴木大介のブログ

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zoom RSS 死んだ男の残したものは

<<   作成日時 : 2012/07/17 23:58   >>

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25日の荒川くんとのリサイタルで演奏する
林光先生が編曲した武満さんの
「死んだ男の残したものは」。

原曲はもちろん、

荒川くんのフルートと
林先生のピアノのためのものです。


もともとがピアノとはいえ、

武満さんの有名な「死んだ男の残したものは」は、

僕もいろいろな場面で何度も演奏しているし、
シンプルな曲だから、
大丈夫だろう、というつもりで引き受けたのですが・・・・


ピアノの譜面を見てびっくり。


フォーク・ロック、というか、
労働歌的だったりプロテストソング的なテイストもにおわせつつ、

とにかく原曲の悲痛なまでのハーモニーを、
これでもか、と強調するかのように、

冷たく乾いた味付けで装飾しまくってあるのです!!


ちなみにこの編曲は2005年のもの。


最初はあまりのリズムフィギュアや和声の凝り具合に、

がっつり割愛してコード伴奏にしようかとも思いましたが、

林先生の細かな付点音符や装飾音や、

タイで結び合わされた大きなフレーズを作る
リハーモナイズ(和声を変えてつけなおすこと)、

そしてもっとも盛り上がるところのフルートの音域やら
その伴奏に聴こえる高い音域での精一杯声を張り上げたような
ピアノの右手の情熱的な原曲のメロディー、

それらを見ていたら、

多少無謀でも、

荒川くんに若干遅く吹いてもらうとか、なんとかして、

極力これをこのまま弾こう、という気持ちになってきました。




正直なところ、

僕には生まれた頃のことで、
彼らの心情はわかりません。

そして以前より公言していることですが、

僕は政治的思想的スタンスをいっさい表明しません。
また、それらを動機とした表現活動も
いっさい行いません。



しかしながら、
それがきちんとした社会的立場に立った作家による
音楽作品にかかわらない、ということではありません。

その作品その作品に、
書かれた背景というものがありますし、

アントニオ・ホセを弾く時には
詩人ロルカとスペイン内戦のことを当然考えずにはいられません。



このピアノのパートには、
若き日を闘った林先生の、

2005年の時点で達観した、

戦争や社会の理不尽に対する想いが

たくさん詰まっているのだと思いました。



そしてその気持ちは、

おそらく時が移っても、

文化として私たちに受け継がれ記憶されるべき、

ひとつの感情風景なのだと、

僕は感じました。





なので、
極力そのまま、

やってみると
意外と弾けちゃうんだな〜〜〜これが。



先生の気持ちに
少しだけ近づけたような気がしました。



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