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zoom RSS 北の帆船C

<<   作成日時 : 2012/06/13 23:39   >>

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2010年に新藤兼人監督の最後の作品となった
「一枚のハガキ」の撮影がありました。


その辺りの経緯については
もう何度か書いていますし
林先生ご自身のエッセイもありますので
http://homepage2.nifty.com/hayashi_hikaru/newpage33-69.html
割愛させていただきますが、

上記の林先生のエッセイが触れている
「一枚のハガキ」の映画音楽には
後日談があります。


僕が奏一くんを連れてスタジオに行ってみると、
なんと用意されたスコアには、
「北の帆船」の第3楽章のモチーフから転じた、
あるいは派生した、
なんとも牧歌的なエピソードの断章が書いてありました。


「北の帆船」の録音時に、
指揮をしてくださった寺嶋陸也さんが、

光さんのことだから、
この沖縄の音階にはきっと
戦争への思いが込められているんだよ

と言われていたのを思い出しました。


実際に先生から、
それについての話は聞けませんでしたが、
しかし、
「一枚のハガキ」の音楽に変身した
「北の帆船」の第3楽章は、
何かきっと、確実に、
太平洋戦争への想いにつながっていたのでしょう。


同じところから生まれているとしても、

少し民話的な「一枚のハガキ」の音楽に対して、

「北の帆船」の第3楽章のほうは、
悲哀に満ち、レクイエムのような音楽ですが、
どこかに、安らぎへと通じるものもあります。

1楽章の、沖縄の自然がざわめくような美しい情景も、
2楽章の、昭和の戦後の、
危なげな夜の世界を思い出すみたいな雰囲気も
ともに素敵なのですが、

この3楽章こそは、
日本の戦争でなくなった人々への、
心からの鎮魂になっていると思います。

2003年8月6日、広島で、
スペイン内戦後のバルセロナの人々が涙した作品だから、
という理由で、アランフェスを演奏させてもらったことが、

その後僕にとって、
この「北の帆船」という作品を再発見し、
録音まで自分を駆り立てることになった
大きな要因だったということと、

あの日、ほんとうは広島で、広島でこそ、

「北の帆船」を弾くべきだったのかもしれない、

という二つの気持ちが、薄れるばかりか
年々、はっきりとして行くのです。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
広島で「北の帆船」を演奏されるのを期待しています。いっそのこと平和記念ということで、広島、長崎だけじゃなくて北から南まで全国ツアーしてください♪
kobo
2012/06/15 15:48

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