ギタリスト 鈴木大介のブログ

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zoom RSS 現代の古楽器

<<   作成日時 : 2011/09/25 23:58   >>

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焼津公演で考えたこと。

今回は演奏会の半年くらい前から、
アンヘル・ベニート・アグアド製作の、
プティ=ジャンというオリジナルをもとにしたレプリカと、
19世紀に作られたオリジナルのギター、
どちらを使うか迷っていたのでした。

ホールで、試したところ、
どちらもよく鳴るのですが、
やはり、最終的にはアンサンブルのしやすさ等を考慮して、
レプリカで演奏しました。

今回は、
共演したフォルテ・ピアノも、レプリカだったので、
レプリカのギターのほうが相性が良かった、ということも
言えたと思います。


多くのお客さまから、
一曲ぐらいオリジナルのほうで聴きたかった、
というご意見をいただきまして、
それは確かにそうだったかもしれないな、
と思いつつ、また、一方では、
フルートの有田正広先生が、
ピリオド楽器を現代のステージで演奏することについて、
「極上のウィスキーを25mプールに満たしたミネラル・ウォーター
で水割りにし、無理やりに味わう」
と表現されたことを、今もって思い知らされる経験もしました。

アンヘル・ベニート・アグアドによるレプリカは、
音色の深い味わい、陰影、色彩においては、
やはり19世紀のオリジナル楽器の持っている幅には及びません。
しかし、奏者が感じている、
19世紀ギター特有の響き、歌い回し、それらを、
理想的な形でホール全体に行き渡らせてくれるものなのです。

録音は別として、
現代のコンサート会場でのリサイタルという事情を考慮した時、
このことはなんと頼もしいことでしょう。

実は、私たち出演者は、
前日までのリハーサルでは、断然オリジナルで行こうと思っていました。
それが、私たちの感じていた良さが、
なかなかホール中に響き渡ることは難しく、
逆に、アンヘル・ベニートのほうは、
ホールで鳴ることによって、まさに19世紀ギターの響きを
再現してくれたのでした。

今後も研究を重ねていきたいことですので、
これが僕の最終結論ではありませんが、
古楽器演奏の偉大な先達であるホセ・ミゲル・モレーノが発注したうちの一本
である、このアンヘル・ベニートのレプリカには、
それだけの経験と機知が凝縮されているのだな、
と、改めて感じたのでした。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
お団子でいえば、「元祖」だの「本家本元」だの色々あっても、今現在一番美味しいのは、必ずしも始祖ではない、ということですね。
うまけりゃいいんです。
ということかな
天空仙人
2011/09/26 08:29
ソロ演奏の前に「少しだけ…」と弾いていらしたオリジナルの音色が、心に光がさすような響きで感激してしまったので、ついもっと聴きたいと欲が出てしまいました。

オリジナルかレプリカかということより、理想的な状態で音楽を受け取れるかということですね。そういう考慮をされていたことを知ると感動もより深まります。ありがとうございました。
ちなみに、きょう飲んだ不二家のネクターはいつかの桃よりもおいしかったです。
kobo
2011/09/26 20:06
先生、ご無沙汰 失礼していますm(_ _)m
まだいろいろありますが元気にしてます!

古楽器。1つ1つの楽器に長い年月を経た分の命が入っていて、ホールによってその時代を再現してくれる。。。
なんて素晴らしいことでしょう☆
チェンバロを勉強しているので興味深く読ませていただきました。
ちなみに、私が生で初めて聴いたフォルテピアノは平井さんの演奏でした♪
また元気いただきにブログお邪魔します!
南部
2011/09/27 12:34
古楽器19世紀ギター、ギター全般についてもっと知りたいのでご多忙とは重々承知の上ですがブログにたくさん書いて欲しいです
ココ
2014/04/18 03:21

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